YUKI˚*
ありえないありえないありえなーーーい
最っ低最っ悪!!!
もう、絶対あんなヤツ
「須嶋くんなんかっ…大っ嫌い!!!」
「ゆきうるさい」
「…だ、だってぇー」
まなみんがすごい呆れてあたしを見るから
少し反省。
でもあたしはまだ、気持ちが上手く収まらない
だって、あんな……
「わあぁーーー!!!」
「うるさいっ!」
ついに、まなみんに口を手で塞がれてしまった
「…もがっ」
く…苦ぢぃー
「一回落ち着いてっ」
まなみんの言葉に、あたしは必死で顔を縦に振る
そしてやっと口が解放された
「っはぁ……ひどいまなみーん…」
「まぁ、良かったじゃん。今日は須嶋来てないみたいだし」
昨日の今日は学校で、今はその昼休み
まなみんとお弁当を食べていた
横目で隣の席を見る
本当、今日来てたらあたし何してたかわからない
「もう二度と来なければいいのに……」
「来るよ、白川に会いに」
「そんなの…」
ん?今、男の人の声……
そう思って声のした方を見ると
「川村くん!」
窓から顔を覗かせている川村優くんがそこにいた
「よっ!」
そう言って爽やかな笑顔を向ける川村くん
「…あ、まなみん川村くんと知り合いだったの?」
「……………あっ…あ…え?違うよ?」
イケメン好きのまなみんは、川村くんに釘付けだった
…じゃあ、なんであの川村くんがあたし達に話しかけてくるんだろう
「あーごめんごめん!ケンからよく話聞くから…さ」
と、次は少し照れたように言う
「あっ…そういうことか!」
本当に仲良いんだなぁー
あたしは納得したけど…
須嶋くんがあたしの話を川村くんに?
うーん…
あっ!…あの人のことなんて考えない考えない!!
一人で首を振っているあたし
を不思議そうに見つめる二人
途端にかぁっと顔が赤くなるあたし
「…あ、じゃあ俺行くわ」
そう言って行ってしまう川村くんの顔も
少し赤い気がした
「どーしよー…絶対変なヤツだって思われたよまなみん!」
そう言ってまなみんにすがったけど
まなみんはまだボケーっとしてて
あれ?いつものまなみんなら、イケメン見たらキャーキャー騒いでるのに
どうしたのかなぁ?