YUKI˚*
放課後。
あぁー、今日は須嶋くんがいなくて平和だったなぁ
そんなことを思いながら帰る準備をしていた
「まなみーん、一緒に帰…
「ごめーんゆき!今日委員会なの、先帰ってて!!」
まなみんはそのまま教室から出て行ってしまって
委員会なら仕方ないかぁ…
少しがっかりしながら靴箱に向かう
と、そこにはちょうど川村くんがいた
川村くんもあたしに気がついたみたい
「あ、白川!今帰り?」
「あ、うんっ」
「…じゃあさ、一緒に帰んない?」
突然の誘いにあたしはびっくりしたけど
「いいよー」
何も考えずにそう返事をして、
後悔した
だって川村くんは須嶋くんと同じくらい女子に人気がある
あたしまた睨まれちゃう?!
そう思っても、今さら断れなくて
「…川村くん部活は?」
「今日休み」
「帰る方向は?あたしは校門出て真っ直ぐ…」
「あ、俺も!じゃあ、行こっか」
「………うん」
川村くんと一緒に校門まで歩く
校門まで!校門までで
この痛い視線からも解放される!
部活に入ってる生徒が多いから、今の時間帰る人は少ない
そう思って必死に校門まで耐えた
そして、やっと校門を出たところで
「…ごめんな、なんか……」
川村くんがすごく申し訳なさそうに言った
わぁ…須嶋くんとは大違い
あの人絶対あたしが睨まれるの面白がってるもん
「全然大丈夫!慣れてるから」
「…あぁ、ケンね……」
少し、川村くんが悲しそうな顔をした?
でも、その後は川村くんはずっと笑顔で色んな話をしてくれた
とっても楽しかった
だから、ずっと気になっていたあのことを
なんとなく聞いてみた
「須嶋くんと川村くんって、どういう関係なの?」
だけど、次は明らかに川村くんの顔が変わった
「…あいつはガキの頃からの仲だから」
本当にそれだけ?
って聞きたくなったけど
「…仲良いもんね」
聞けなかった
なんだろう
なんか二人には……
他の人にはわからない何かがあるみたい
なぜか、そのときはそう思った