YUKI˚*
「良かったね」
まなみんに言われると、本当に良かったのかもしれないと思ってしまう
大丈夫
きっと須嶋くんはすぐ
あたしなんかに飽きて別れるだろう
だから
ほんの少しの間だけ
「アイス食いに行こー」
当たり前みたいに差し出される手
あたしはちょっと照れながらも、手を重ねる
本当、慣れてるなー
こんなこと思ってるのもあたしだけ?
「どれにする?」
突然話しかけられて我に返る
目の前には、沢山の種類のアイスがあった
「…ん〜っと……」
あたしって本当、優柔不断なんだよね
どうしようか悩んでいると
「コレとか、上手いよ」
須嶋くんが指差したのはミルクベリーアイス
「あ、じゃーコレにする!」
「んっ」
須嶋くんが二人分のアイスを頼んでくれた
「…あ!お金
「こーゆーのは彼氏が払うもん」
あ、払ってくれちゃった
わー…なんか本当カッコいいなー
そんなことを思いながら
待つように言われて近くのベンチに座っていると
須嶋くんが両手にアイスを持って来てくれた
「はいっ」
「ありがとー!」
アイスを受け取って、一口食べる
…あ、甘っ!!!
見ると、須嶋くんが頼んだアイスもチョコですごく甘そう
「……須嶋くんって、甘党?」
「あー、うん」
えー!意外
「ちょっとかっこ悪りーかな」
少し笑う須嶋くん
「ううん!そんなことない!」
あたしは首を思いきり横に振る
「はは、ゆきちゃんウケる」
なんか、今度はすごい笑われてしまった
でも本当に、かっこ悪いとか…そんなこと思わなくて
むしろ、あたしには好印象
「アイスとか、よく食べるの?」
「うん、ここ辺は俺の地元だから
あの店もよく行く」
「そーなんだぁ!」
辺りを見回す
ここに須嶋くんは住んでるんだ
川村くんも
「あ、そーいえば!この前川村くんと一緒に帰ったんだ」
「……え、なんで」
「ん?なんか、たまたま靴箱で会って」
「……ふーん」
あれ?機嫌悪くしちゃった??
「川村くんとすごく仲良いんだね!」
「んー…別に仲良くなんかねーよ?」
「ウソー!いつも川村くんとしかいないじゃん。友達は大切にしないと!」
「友達なんていらない」
そう言うと、いきなり須嶋くんが抱きついてきた
「ゆきちゃんがいれば、それでいい」
…う……
「ちょっ…アイス付いちゃうー!」
てゆうか溶けちゃう
あたしの熱で