YUKI˚*
次の日からも、
須嶋くんは今まで通り変わらない
だからあたしも今まで通り、普通に接した
だけど、須嶋くんがあたしを
自分の地元に連れて行くことは、二度となかった
「ゆきちゃん俺のこと好き?」
また、可愛く首をかしげて
何を言うと思えば
でも
「…………」
あたしは答えられない
「そっかー。無理矢理付き合ってもらったようなもんだもんね」
「…………」
好きだよ
一言そう言えればいいんだろう
そしたら須嶋くんは
そんな悲しい顔しない
ズキリと、胸が痛む
でも、どうしても
言えなかった
「……絶対」
「え?」
「絶対俺のこと、好きにさせるから」
そう言って笑う須嶋くんに
あたしも笑い返すしかなかった
「あたしは悲しいよ……」
「ぶっ……えっ…??」
飲んでいた紙パックの抹茶オレを吹き出しそうになった
まなみんがいきなり変なこと言うんだもん
「な、何が悲しいって?」
「ゆきを須嶋に取られて」
んん??
須嶋くんがまなみんから……あたしを取ったと?
「だってゆき、最近は帰りも須嶋と一緒でぇ全然遊んでくれなーい!」
と、口を尖らせて言うまなみん
そうなんだよね
優と帰ったなら俺とも一緒に帰ろう
って言って
最近は帰りもずっと須嶋くんと一緒だった
それにまなみんはヤキモチ焼いてるらしい
「…かわいい」
思わず口に出してしまった
「ゆき〜?あたしは怒ってんだけどぉ〜?!」
あはは…
でも、こーゆーお昼のときしかまなみんと話さなくなったのは
あたしもちょっと寂しい…
でも、須嶋くんに誘われたら断れないんだよね……
……そーだ!
「じゃーまなみんも一緒に遊ぼーよ!」
「…須嶋と三人で?」
「うん」
「アホか!」
まなみんから罵声を浴びてしまった
「そんなのあたし邪魔者じゃん」
えー、そんなことないのに
うーん…
「あ、じゃー川村くんも入れて四人で遊ぶのは?」
我ながら、ナイスアイデア
なんかWデートぉ、みたいな感じで
だけどなぜか、まなみんが黙ってる
「ね!いーよね?!」
もう一度身を乗り出して聞いてみると
「あ…うん、それなら……」
という返事が返ってきた
「ヤッター!」
なんか、まなみんの反応がよくわかんないけど
まーいっか
久しぶりにまなみんと遊べる!
あたしは、それが楽しみで仕方なかった