YUKI˚*







「はぁー?なんで四人で遊ぶ必要があるの」



「だ、だって最近まなみんと遊べてないし……」



須嶋くんがまさか反対するなんて




「そんなにまなみんダメ?」



「いや、佐々木は別にいいけど……」



ん?いいの?



「なら、いいじゃない」



「ゆきちゃんは俺と二人は嫌だったの?」



「え…そんなこと



「じゃー二人で遊べばいーじゃん」



ちょっと拗ねたような顔は



なんだか胸がきゅーんてなる




「でもね、あたしは須嶋くんのか…彼女でしょ?」



「うん」



彼女という言葉に少し笑顔になる須嶋くん



「だから、須嶋くんの友達のことも知りたいし、あたしの友達も知ってもらいたいの」




相手のことをもっと知るには



大切なことだと思う



「四人で遊ぶのも…いいと思うよ?」



もう一度、首を傾げて言ってみる



しばらく黙ってため息をついた後




「…じゃーイチャイチャ見せつけてやろーぜ!」



なんとか許してくれたみたい



え、でもイチャイチャするのは…



「もーヤダからねー」



「てゆーか、ゆきちゃん可愛すぎ」


そう言って、首を傾げてあたしの真似をする須嶋くん



「からかわないでー」



「からかってない。他の奴にそんな真似すんなよ」




いつもあなたがしてることでしょーが


それでどれだけの女を射止めてきたのか




「…恥ずかしくてできないよ」


「なら、いー」



またニコニコしてる須嶋くん




まぁ、いいや


須嶋くんが許してくれたことが、なんかうれしかったから















遊園地ってあんまり来たことないから




「…わぁー!!!」



ワクワクする



「ゆきちゃん、はしゃぎすぎだから」



そんなこと言うけど




「須嶋くん、引っ付きすぎだから!」



普通、女子が男子の腕に手を巻きつけるものだけど



今はその逆で、須嶋くんがあたしに腕を絡めてくる



恥ずかしいってゆうか、歩きにくい



男の人って大変だったのね




「あのー、あたし達のこと忘れてません?」




振り返るとまなみんと川村くん



「わ、忘れてなんかないよ!二人もなんか喋ったら?」



「え……」



どーしたのまなみん!?



イケメンを前に黙っているなんて




「あ!あれとか面白そーじゃん?佐々木さん」



お、川村くんから話しかけた



「そ、そーだねっ」



やっぱり優しい人だなぁー川村くんは



それに比べてこいつはー!



二人のことも全然気にしないで本当にイチャイチャしてくるんだからっ



「川村くんを見習わないとね?」



「…は?」



恐い顔しちゃって


そんなに川村くんと比べられるのが嫌なの?




でもこんなんじゃ、いつもと変わらないじゃん



「じゃー川村くんの面白そーって言ったアレ乗る??」



「おー!」



それは、よくある回るコーヒーカップ



のめっちゃ早いやつ



「き゛ぃゃーーー!!!」



あたしは



ダウンした



「大丈夫?」



ベンチで休んでいるあたしに、そう言って冷たいジュースを渡してくれるんだけど



「もー!まだ笑ってるっ」



笑いを堪えながら、ジュースを差し出す手はぷるぷる震えてる



「だ、だって回ってるときのゆきちゃんの顔!声!」




ふはっ、て堪えきれなかったのか吹き出して笑う須嶋くん



もぉー



「あ、まなみんと川村くんは?」



「なんかさっきのコーヒーカップ気に入ったみたいで」




「まだ二人で乗ってるの?」



「うん」



わぁ、すごい!尊敬するわ



「仲良くなったみたいで良かったね!」



「……うーん?」




なんか、変な顔をする須嶋くん



「?どーしたの?」



すると須嶋くんはふっ、と笑って




「なんでもないよ」



優しい顔をした



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