YUKI˚*
可哀想だと思った
あたしばかりじゃなかったんだね
ユリさん、あなたも
不安で悲しくて
どうしようもない切なさを
「ユリさんは、辛かったんだね」
何があったかはわからないけど
ユリさんはきっと助けを求めて
それを須嶋くんが支えてくれた
須嶋くんは、そういう人
だってあたしも
初めて会ったあの日
足を怪我したあの時も
須嶋くんに助けてもらった
だからユリさんは、須嶋くんだけは失いたくないんだね
「ゆき…さん」
どうしてあたしってこんな性格なんだろう
本当はユリさんのこと
憎まなきゃいけない相手かもしれないのに
どうにかしてあげたいって
「ゆきさん……ごめんなさい、あたし……」
思うよ
「大丈夫。須嶋くんなら、ユリさんのこと幸せにしてくれる」
須嶋くんなら、大丈夫
良かった
遊びとかじゃなくて
須嶋くんはユリさんを助けるためのにユリさんのところに行ったんだ
須嶋くんはあたしが知ってる
優しい須嶋くんだった
あたしは
捨てられたわけじゃなかった
それがわかっただけでも
「ゆきさん、あたし健人くんのこと…」
「泣いたら可愛い顔が台無しだよ。もう、帰ろうか」
ごめんね
でも聞きたくない
そこまで優しくなれない
須嶋くんのこと、まだ
あなたの口からは
聞けない
でも、ユリさんが悪い人だとは思わなかった
だからあなたも
「須嶋くんを、幸せにしてあげて?」
須嶋くんが悪いわけじゃない
それを教えてくれてありがとう
「本当にいいの?」
「うん」
あのあとまなみん家に行って
何がなんて聞かなくてもわかった
「よし、じゃー今日はあたしん家でガールズトークでもするか!」
「えー、恋バナは却下!」
まなみん
大好き、本当に