YUKI˚*
「おーいたいた」
彼はそう言って
向かっている場所は
確かにあたしの所だ…
なんで
なんであの人がここに?
昨日のこと怒ってわざわざ学校まで来たの?!
彼はどんどん近づいてくる
どーしよう、何かされる!!!
そう思って目をギュッとつぶる
すると
パサッ……
……ん?何かが肩に…
あたしは少し警戒しながら、そーっと目を開けた
……!
あたしのコート?!
「洗っといたから。ありがとな」
そー言ってニコッと笑うその人は
あれ?……ホントに昨日のあの人?
なんか雰囲気が、違う?
てか、チャラい?!
見た目はやっぱり怖いけど…
「…あ、ありがとー…」
一応お礼は言っとく
「まさか……さっき言ってた人?!」
すると、またまなみんがキラキラした目をして聞いてきた
そーいえば、この人もイケメンだった…
「……う、うん…」
「へー、俺の話してたんだ?」
いきなり、彼はあたしの目を覗き込んでくる
わ、ちょっ…
顔が赤くなっていくのが、自分でもわかって
あたしは咄嗟に顔を逸らした
けど相手は全くそんなの気にしてないみたい
「同じ高校だったんだな」
笑ってそう言った
……て
「え?」
同じって?
「俺もこの学校の生徒なんだよ」
なんの悪びれもなくそう言う彼
……うそ
全然気づかなかった
こんな明るい金髪の人が同じ学校にいら、絶対目立つと思うんだけど
「じゃーこれからよろしく♪」
そう言って彼は
あたしの隣の席に座った
………え?
「……なんでその席っ……」
思わず口に出してまたハッとする
けど、もう聞こえてしまってる
「……え?だって俺ここの席だし」
「…………」
何言ってんの
だってこの席はー…
「須嶋くんの席」
「……………」
彼はきょとんとした顔で
言った
「うん。だから俺、須嶋 健人」
• • • 。
「「えっーーー!????」」
きっと
あたしとまなみんの声は
学校中に響き渡った