YUKI˚*
とは言っても
まず、須嶋くんと仲直りしないと始まらないわけで
あたしは須嶋くんのクラスの前で
帰りのHRが終わるのを待っていた
すると、教室の中が騒がしくなってきて
やっと終わったみたい
あたしはそーっと教室の入口に顔を出してみる
と、
「ゆきちゃん!」
「わっ……須嶋くんっ!」
丁度須嶋くんが出てこようとしてるところだった
「え、まさか迎えに来たの?……やば、マジ嬉しー!」
そう言って喜んでいる須嶋くん
今までいつも須嶋くんがあたしの教室まで迎えに来てくれていたから
あたしから迎えに行くのは初めてだった
「じゃ、行こっか」
ご機嫌の須嶋くんはあたしの手を取って先を歩いた
なんかすごく喜んでくれたみたい
てゆうか、もう仲直りしようとしなくても大丈夫なのかな?
よかったぁー
なら、次は
クリスマスに一緒に過ごす約束をしなくちゃ!
「須嶋くん!」
「ん?なーに?」
不意に振り返った須嶋くんは
優しい顔で
少しドキッとする
ああ、こんなに毎回ドキドキしてたらあたし
この先心臓もたないかもしれない
なんて
「あのね!今度の12月24日って……空いてるかな?」
須嶋くんにじっーと見つめられると
やっぱりドキドキしちゃって
最後の方は聞こえるか聞こえないかぐらいの声になってしまった
だけど須嶋くんは
「クリスマスだろ?」
そう言って前を向いてしまった
そのまま
「あたりまえじゃん?クリスマスに彼女と過ごすのは」
あたしの心を不安にさせたり
安心させたり
そーゆーの、須嶋くんは天才だと思う
それでもあたしは嬉しくて
「やった!」
と言うと
須嶋くんはあたしの頭にポンポン、と手をのせた
嬉しいんだけど
もしかして須嶋くん……
あたしのこと子供扱いしてキスしてくれないのかも
なんて
また不安になってしまった