YUKI˚*







ドキドキドキドキ…



胸の鼓動だけが聞こえる



あたし今、何した?!





ただ



須嶋くんの顔が見れなくて



今、どんな顔してるーー?






「ゆきちゃん」


「はっ…はい!」


突然須嶋くんに呼ばれて、肩がびくんと跳ね上がる



変な声出しちゃった…



ただ

触れていた唇が



熱いーー…





「キスしたいの?」







顔を上げたとき


須嶋くんは真顔だった




「そ、それは〜…っ」


どうしよう



須嶋くんの視線がすっごく痛いんですけど



なんであたしキスなんかしたの〜





「ねぇ、ゆきちゃん」



うぅ、須嶋くんは目をそらさない


恥ずかしいよーー!




あたしは視線をそらしてしまった


「顔上げて」



でも、須嶋くんの手によってすぐ戻されてしまう




もう逃げ切れない


誤魔化せない




覚悟を決めるしかない?



「だって…だって須嶋くんっあたし達付き合って一年になるんだよ?なのに……」


やっとの思いを口にすると



あ、やばい


涙が…




「なのに須嶋くん、キスもしてくれないんだもんっ…」




須嶋くんがどんな顔をしてるかわからない


涙が溢れて、顔を手で覆ってしまったから




するとぎゅっと



温かさに包まれた





「俺、やばいんだけど…」



あれ?須嶋くん?



抱きしめられながら聞こえた声は、いつもより少しか細い気がした



すると突然体が離されて




須嶋くんから






キスされた




唇が離れて、少し照れ臭そうに須嶋くん



「したくなかったわけじゃない。ただ……大事にしたかったんだ」


「…え?」



「俺、前はすぐに手ぇ出したりしてたから……」



そうか、前、須嶋くんにいきなり押し倒されたこと



「でも本当は」



そしてまた


チュッとリップ音のするキスを




「ずっとこうしたかった」



そう言ってくれた須嶋くん


か、かっこよすぎる…



あたしのこと大切に思ってくれてたんだね


「ありがとう、須嶋くん」



なのにあたし一人で勘違いして


でもそれは



好きだから



いつからだろう



須嶋くんのこと、もうこんなに




好きになってた






「もっ回…してい?」


「…うん」


「抑えきかねーかも」





それから



何度も角度を変えてされたキスは


ケーキの味と須嶋くんのせいで



とってもとっても




甘かった







クリスマスの夜


魔法がかかったの




初めてのキスは甘くて


外は雪が降っていた




ホワイトクリスマス



初めて会ったときの


あの雪みたいな





キミと初めてつながった


やっぱり


冬の季節。







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