YUKI˚*




「それで、ゆきちゃんと話をしたとき、ああ、そういうことかって思った」



え?


あたしと近くのカフェで話したとき?




「健人くんが変わったのは、ゆきちゃんのおかげなんだね」



ユリちゃんはあたしの方を見て


優しく笑ってそう言った



「…え?なんで」



「あたし、あなたみたいな心が綺麗な人、出会ったことない。だから、いっぱい酷いこともしちゃったけど、今友達になれてすごく嬉しいんだ!」



そんなことをサラッと言ってしまうユリちゃんに



あたしはなんだか恥ずかしくなった


でも、嬉しかった




「あたしも!ユリちゃんみたいな可愛い子と友達になれて嬉しい!」



「ふふ、ありがとう」




最初に出会ったときから可愛いって思ってた


でも



なんだか今のユリちゃんは


前と違ってすごく大人に見えて




「だからね、二人にはあたし達と同じようにはなってほしくないなって思って」




驚いた


なんで?


自分は今一番苦しいはずなのに


あたし達の心配してるの?





……優しいのはユリちゃんの方だよ




「それだけ言いたかったの。ごめんね、こんなことで」




なんて、優しい人



「ううん、ありがとう!あたしユリちゃんのこと応援するから、新しい恋ができるように」




「うん、ありがと!じゃ、あたしこっちだからバイバイ!」



「バイバイ!」



そう言ってユリちゃんと別れる



また一人になってあと少しの帰り道を歩く





もしかしてユリちゃんは予測してたの?


あたしたちのこと



だからあんなことを言ってくれたの?






あたしももっとしっかりユリちゃんのこの言葉を聞いておくべきだった



でももう



遅かったのかもしれない






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