YUKI˚*






ただ、



白川がかわいくて



優しくて


面白くて


楽しくて




好きで



どうしても失いたくなかったんだ





白川は本当にお人好しだから



自分より人のことで



たぶん、俺が抱えていることがあるってことにも気づいてる



白川の性格だから、聞かずにはいられないんだろうけど



それでも聞いてこないのは





俺がそう仕向けてるから



白川が



俺の深い所まで踏み込んでこないように




境界線を引いて



近づきすぎないように




白川の真っ白が



俺の黒で染まらないように






でも



それなら最初から近づけなければいいんだ



何度そう思っただろう




でももう



知ってしまったから





白川の優しさも



温もりも




俺は知ってしまった






離れないで



きっと暗黙の内に


白川はこの言葉を聞いている




俺を一人にしないように



寂しくないようにって白川は







それが



嬉しくて


嬉しくて




子供みたいに



俺は白川から離れられなくて





好きなんだ



涙が出そうになるくらい



どうしようもなく





初めてなんだ



こんな気持ちも



想うのも



想われるのも






隣で



りんご飴を食べて笑うキミが





どうしてこんなにも



愛しく思うんだろう







頑張るよ


白川




俺、かんばる





この関係が壊れないように



白川を壊さないように




頑張るから






だから




お願いだから白川







キミだけはーー











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