YUKI˚*
過去
「ゆき、あんた顔にやけてる」
「え、ウソ?!」
まなみんに言われて、あたしはバッと頬を手で覆った
「何ー?今日いいことでもあったのー?」
あんたこそ結構ニヤニヤしてるよ
って感じでまなみんが聞いてくる
「ふふ、これからあるのー♪」
「え、何なに??」
「ひみつー♪」
まなみんがぶすっとして相手をしてくれなくなっても
あたしはすごく機嫌が良くて
鞄の中の可愛くラッピングされた紙袋が気になる
早く須嶋くんに会えないかなぁー♪
「えぇーーー?!!!」
「え、そんな驚く?」
だって!
「須嶋くん学校来てないの?!」
「だからそー言ってんじゃん」
同じことを二回も聞き返したから、さすがの川村くんも面倒くさそうな顔をする
でも、今はそんなのどーでもよくて。
今日は須嶋くんの誕生日
学校でこの前買ったプレゼントを渡そうと思ってたのに…
あたしは須嶋くんの家を知らない
前に勉強会で連れて行かれそうになったこともあったけど
付き合ってからは一回もそんな話にならなかった
というか、須嶋くんが避けている感じだった
だからあえてあたしも聞かなかったんだけど…
どうしよう
できれば誕生日のその日に渡したいなぁ
あ
「川村くん!」
「……何?」
まだ少し面倒くさそうな顔してる川村くん
「須嶋くんの家教えて!」
「はぁ?!」
え
なんでそんな驚くの?
「ダメだめ、絶ってーダーメ!」
「えー?なんでー?」
川村くんの拒否り方が半端じゃない
…なんで?
「行ったら見ることになるよ」
「……何を?」
川村くんはゆっくりと
あたしの瞳を見据えた
「アイツの黒い部分を」