YUKI˚*







チャイムの音が学校中に響きわたる




たった今4時限目が終わった





教科書を直してお弁当を出すと、まなみんがやってきた





「お腹空いた〜〜」




っていつものようにそう言うと思ったのに、




「食べてから行くんだ?」



あたしの机でお弁当箱を開きながらそう言った





「どこに?」



「え……屋上でしょ?」





…………!


そうだった!完全に忘れてた!!




てか、あの人授業来なかったし




「うぅ……行きたくないよ〜〜」



「でもゆきは、すっぽかしたりできないでしょ?」





「…………」




何も言えない




「ま、頑張りな!」



まなみんはさっさとお弁当を食べ始めた



他人事だと思ってーー!



とか思いながら、あたしもお弁当に箸をつける




そしてお弁当を食べ終わったあたしは、



まなみんと別れて屋上へ向かった





……ドキドキするなー



いや、これは告白されるとか思ってるわけじゃなくて


何言われるんだろうって



やっぱこの前のことかなー




調子のってんじゃねーよ!




とか?





……うぅ




そんなことを思っていると、もう屋上の入口まで来てしまって




思いっきってドアを開ける




だけど




……あれ?




そこには誰もいなくて




辺りを見回しても白いコンクリートと手すりだけ




まだ来てないのかなぁ





そう思ってしばらくそこで待っていた







………







来ない……




呼び出しといて本人が来ないってどーゆーこと?!





「……はぁ」





一回戻ってみようかな




そう思って屋上を出ようとした




そのとき







聞こえてきたその声は



上からで




「ゆ〜きちゃん!」




はっと思って見上げるとそこには…




日があたってキラキラした笑顔の



彼がいた





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