YUKI˚*
三人並んて歩いても、誰も口を開こうとしない
何度聞いても、彼の返事は変わらなかった
病院から出て帰る途中
あたし達はまるで抜け殻みたいに
どうやったら
どうすれば須嶋くんを助けられるの?
そんなことばかり考えて
きっと、二人も
須嶋くん
あたし達、心配してるんだよ?
連絡ぐらいくれたっていいじゃない
停学中だからって、不良の須嶋くんがそこだけ真面目にならないでよ
……会いたいよ
会って、本当のことを聞かせてよ
ーー…須嶋くん
「…………っあ」
まなみんの驚いたような声で顔を上げる
そしてあたしも驚いた
「……須嶋くんっ!?」
「お、お前こんなとこで何してんだよ?!停学中だろ?!」
目の前には
今まさに会いたいと思っていた人
でも
「その傷……」
須嶋くんは体中傷だらけだった
そして、あたしと目を合わせようとしない
なんで……
あたしは須嶋くんに近づこうとした
そのとき
須嶋くんはすごい勢いで走り出した
「…えっ……」
何?!なんで
あたしから須嶋くんが逃げるの?!
意味わかんない
せっかくやっと会えたのに
あたしはあんなに会いたかったのに
須嶋くんは違ったの?
てゆうか、そうだとしても
あたしから逃げるなんておかしい
……ムカつく!
あんなに、あんなに心配してたのに
「ちょっ……須嶋くーん!!!」
あたしは須嶋くんを追いかけて走った