YUKI˚*








あたしは、須嶋くんに甘いかな




もう、そんなこと言われたら




「須嶋く…んっ…」




半泣きのまま、須嶋くんに抱きついた














「そーだよな、よく考えたらそんな心配することでもなかったな」




そう言って笑う川村くんを見て




やっとあたしは心から安心できた




学校の廊下で2人で話していた




まだ須嶋くんはいないけど




そうだよね




なんだかんだ言って須嶋くん、何でもできるし




今までやってのけてきたんだから







だけど…




「なんで…ケンカなんかしたんだろ」



約束をしてから



須嶋くんは忠実にそれを守ってるみたいだった




それがあたしも嬉しかった






だから




何か、そうしなきゃいけない理由があったのかな





「ま、大丈夫だろ。心配すんな」



川村くんは本当に優しい




あたしの安心する言葉を、欲しい言葉をくれる




そうだあたしは




信じて待つしかない




「あ、いたいた2人!」



そう言ってまなみんが駆けてきた



そして3人



他愛もない話を始めた




須嶋くんがいなくても、あたしにはこの2人がいるんだった




だからちょっとの間なら、我慢できるよ





でもね、やっぱり少し




寂しい、かな






だから須嶋くん、早く戻ってきて




待ってるよ



あたしだけじゃなくて



川村くんと、まなみんも





待ってるよ






なのに




停学期間が終わって




季節は冬の真っ只中に入ろうとしていた






いつまで経っても




須嶋くんは




学校に来なかった







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