YUKI˚*










なんだろう




前にもこんなことがあったような





辺りは真っ暗闇で




それは漆黒の黒



あたしが一人だけポツンと立っていて




違う




前はこんなんじゃなかった




あたしと、もう一人




誰かがーーー





そう思って辺りを見回すと




遠くに




あれは、人?





あたしはその方向に歩き出す




だんだん近づいてきて




それは多分人だ




でも、一体誰?





もっともっと近づこうとする




足を早める




でも、どんなに歩いても



歩いても歩いても




全くその人には近づけない





すると、ふと





その人が手を振った







あれ?





あれってーーー






まだ全然近づけなくて




顔なんか全然見えないけど





その雰囲気で




それが誰だか、わかってしまった






わかった途端



あたしは走り出す





でも、走っても




走っても走っても





届かない





「須嶋くん!」





彼の名前を叫んでも




届かない






なんで?




キミは手を振ってるの?




あたしは近づけないの?





不安で不安でたまらなくて




走り続けて




でも、不思議と全然疲れない






そういえば、前にこんなことがあったときは




須嶋くんは子供だった






あれ、それって





じゃあ、コレは







ーーーー夢?














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