恋愛小説
あの1件以来、あたしの方が優也に対して壁を作ってしまった。
そんなことでは、何の解決にもならないことはわかっている。
でも、どうしても心を開けない。
2週間前ドライブに行ったときも、会話が弾まなかった。
「由佳、どうかした?」
優也はいらいらしていた。
「最近様子がおかしいよ。何か言いたいことがあるんなら、ちゃんと言ってくれよ。」
「別にないわ。どうして言いたいことがあるなんて思うの?」
「由佳がいらいらしてるからさ。」
「いらいらしてるのは優也だって同じじゃないの。」
結局、目的地まで行く前に引き返してきて、ろくに挨拶もせずに別れた。
その後、2・3日してメールが来たけれど、あたりさわりのないことを書いて返送した。

それから、お互いに連絡していない。
こんなに長い間連絡しないのは、付き合い始めて初めてのことだ。

家に帰ると母が、
「由佳、小包が届いてるわよ。」
と言って、包みを手渡してくれた。
送り主は優也だった。
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