彼氏と彼女の抱く絶対的な秘密。
もう、出た時からユウキモード。
どうせ皆学校だし、別にいいよね。
さすがに帰る時のために帰り用服は持ってきてるけど。
マッハで飛ばし、駐輪場にチャリを止めると、あの喫茶店に入った。
アユミちゃんは―――まだいない。
あたしはそわそわしながら、いつもの席に座る。
少し奥の所。
秘密基地感あふれる所。
ちょっとした本とか。
マスターの趣味の望遠鏡。
飾られた夜景の写真達。
なんだが落ち着く、不思議な喫茶店。
カランカランッ…
出入り口の鈴が揺れる。
そこに立っていたのは…
「ごめん、待った?」
『ううん、全然。急にごめん』
「いいよ。全然大丈夫」
アユミちゃんは、そう言って笑った。