彼氏と彼女の抱く絶対的な秘密。

『本当にごめん、学校とか大丈夫だった?』

「早退してきちゃった」

『へ!?ご、ごめん!俺の我が儘のせいで』

「いいよいいよ、今日面白い授業なかったし」

『そ、そうなんだ…』


その時、ちょうど頼んだコーヒーが届く。

あたしも、アユミちゃんも、ゆっくりコクンと飲んだ。


二人とも、ミルクと砂糖のちょぴっと甘め。
マスターも、それを熟知しているらしい。


「で、ユウキ君どうしたの?」

『え?』

「なんでわざわざ…こんな平日にあたしを呼んだのかなッ、て」

『………』



どうやって言おう…。



『……友達の、話、なんだけど』

「うん」

アユミちゃんは、ニコッと微笑んでくれた。



『彼女の、浮気現場らしきものを見たんだって』

「浮気?」

『うん。自分を待ってる時に他の男と抱き合ってたのを見たんだって。…で、いろいろ問い詰めたら、その男に彼女は「彼はいない」って言ってたらしくってさ。友達、キレちゃって。喧嘩したらしいんだよね』

「へぇ………、で、なんでその話をあたしに?今?」

『え!?え、えっと…今日、その友達来なかったんだよね。学校に。気になっちゃって。どうにかしたいんだけど、その友達、皆にあんまり関係を広めないでほしいって言ってたんだよね。聞かれた場合は言ってもいいけど…って言ってたんだけど。だから、その事知ってるヤツがあんまいなくてさ。でもじっとしてらなくて。だから、2人の事誰も知らない人に話聞いてほしいってなって。アユミちゃんに…、ごめん。こんなのために』

「…こんな、じゃないよ?ユウキ君の大切な友達でしょ。あたしだって、出来ることはする」



『……ありがとう』


あたしはニコッて笑った。

アユミちゃんも、ニコッて笑ってくれた。


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