彼氏と彼女の抱く絶対的な秘密。
#16 家族
「ユウキくん!」
『アユミちゃん!』
本屋さんの前での待ち合わせ。
いつもの喫茶店とは違って、ドキドキする。
学校終わりだけど、二人とも私服だった。
まぁ、あたし…制服で行くわけにはいかないし…。
『今日はどうしたの?本屋で待ち合わせって…』
「あっ、うん。あのね、luckymanの作者の…」
今日のアユミちゃんの用件。
『luckyman』の作者の他の作品で読みたいのがあるのだが、タイトルが分からない。
しかも、この作者は連載雑誌を変えた際にペンネームを変えたため、『luckyman』の前の作品を書いていた時のペンネームが分からない。
だから探しようがない。
もしよかったら、一緒に探してほしい。
『どんな作品だか、分かる?』
「えっと、…学園モノで。なんか、赤い髪の男の子が居た様な気がするんだ」
『じゃぁ、探そうか!』
あたしはそう言って、本屋に入っていく。
あたしもあんまり、詳しくないんだけど。
アユミちゃんが困ってるなら協力したい。
あたしも読んでみたいし。