彼氏と彼女の抱く絶対的な秘密。


『な、何が?』

「んー…分かんないけど…」


菜喜、鋭い。

心臓惑わされる。


「亜優君にゾッコンって感じじゃない気がするの。恋する乙女感が抜けてる。炭酸抜けたソーダみたいになってる」


……う。

見抜かれてる…。



確かに炭酸抜けたソーダだ。

新鮮味とか、ドキドキとか、ワクワクとか、トキメキがないの。



あたしは…、あたしは

アユミちゃんといる時の方が、ドキドキしてる気がする。


スリルから?…バレちゃいけない、そんな状況から?


……違う感情から?



「…他に、好きな人とか………いるの?」



ドキッ




さっきよりもはるかに

心臓が音を立てて揺れた。



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