彼氏と彼女の抱く絶対的な秘密。


『……いない、よー?』

「…本当に?」

『やだなぁっ、ほんと。いないってば!』

「…ふーん……」

『…あ、あたし、もう行っていい?』


「ねぇ友紀。あのね、あんたが中途半端だと、あんたと亜優君だけじゃなくて、亜優君に恋してる子とか、…あんたに恋してる人とかが、傷ついたりするんだよ?」


頭の中にカズにいの切ない声、悲しそうな顔が思い浮かぶ。

汗が、じんわりと全身を襲う。


「だから、付き合うならちゃんと付き合いなよ。ちゃんと一途に恋してあげなよ。ちゃんと愛してあげなよ。あんたが自分を誤魔化すと、いろんな事が誤魔化されていろんな事が曖昧になっていくんだよ。ちゃんと付き合うにしても…別れるにしてもケリつけないとダメじゃないの」

菜喜がそこまで言ったところで、

『うるさいなぁもう!!!!!』


おさえられなくなった。



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