彼氏と彼女の抱く絶対的な秘密。

一方通行の恋。

そうなった原因は、あたし。

あたしが受け取る事しかできなかった。

あたしは受け取った愛を、充分に活かす事も出来ずに。

亜優は差し出すばかりで、どんどん愛が足りなくなっていって。


余るほどの愛と、足りない愛。


バランスが崩れたのが、あたし達が崩れたわけ。



『……ごめん、亜優。あたし、駄目だ。このまま亜優と付き合い続けられない。』

伝えたかった。

せめて、こんなことしかできないし、こんなことじゃなダメかもしんないけど。

伝えることしかできない。

せめて最後、曖昧で終わらすなんてできない。

『あたし、他に好きな人がいる!亜優よりももっと、好きだって思っちゃった人がいるっ…!こんな状況のまま亜優と付き合うなんてそんな事できない…っ!!』

「………友紀…」

亜優の手が、ポケットに入ったのに気付いた。

いつのまにか、ほどかれていた手。


『……ごめん!…、…さよなら』


曖昧にしたくないって言ったけど、耐えきれなくなってその場を逃げる。

最後のさよならは、別れの意味を込めた。





あたし達は、こうして終わった。



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