彼氏と彼女の抱く絶対的な秘密。
winter
#4 デートでもしようかな?
『わっ、さむ!』
家を出た瞬間、ぴゅるるーっと北風にふかれた。
『おかあさーん、マフラー!』
一旦家に戻って、お気に入りの赤チェックのマフラーをとってくる。
あれから時は過ぎ―――――
季節は冬になり初め。
マフラーが要る程寒くなってきた。
『はぁ…寒いなぁ…』
家から出てすぐの公園で待ってると…
「友紀!」
と聞きなれた声に呼ばれた。
『亜優ー!』
向こうから走ってくる彼に向って、大きく手を振った。
亜優も振り返す。
「おはよう、友紀」
『おはよー、亜優っ!』
「さ、行こっ」
そういうと亜優は慣れたように私の手を握った。
『うん』
そう笑って、亜優の手を握り返した。