彼氏と彼女の抱く絶対的な秘密。
『今日は楽しかったなぁ…』
部屋で一人、ベッドで横になりながらそんな事を言った。
『やっぱluckymanっていいなぁ…』
また一人で呟くと、本棚に手を伸ばし原作の漫画を取り出し、読む。
「主人公ももちろんカッコいいけど、一番好きなのはヒロインかな。単純に、可愛いじゃん!」
アユミちゃんがそう言っていた。
漫画で見ても、ヒロインはとても可愛い。
「あそこいいよね、ヒロインが泣くシーン。気の強いヒロインが、初めて泣く所。原作でもアニメ画でも絵がキレイだしさ!」
アユミちゃんはそうとも言っていた。
確かに原作でも、作者が気合入れてるって分かる。
とてもキレイだ。
そこで気付く。
内容なんて入ってきてない。
ページを進めるたびに、アユミちゃんの言っていたことが思い出される。
…アユミちゃん……。
ピンピロピロピロピン
着メロがなる。
純香からのメールだ。
<映画の前売り券ゲット!『ムーンライト』って言うのなんだけど、亜優君好きかな?2枚あるからさ、二人にあげる。これで行ってきな!ね>
『…ムーンライト!』
行こうと思ってたやつ!!
<マジで!マジか!もらうもらう!!ていうかとりにいく!!今から行く!!>
まだ暗くなりかけ。
大丈夫。
そっから純香っちまでチャリでとばし、チケットを受け取った。
あさっての朝、亜優に言おう。
へへっ…。