彼氏と彼女の抱く絶対的な秘密。
autumn
#1 登校しました
あれから何ヶ月か―――――
あたしは高校1年の秋を迎えていた。
ちなみにこの高校には文化祭がなく、のんびりした秋だ。
最近は気候がよく、朝快適に起きられる。
だから、早起き登校だ。
「友紀!」
校門あたりで、聞きなれた声に呼ばれる。
『おはよ!純香』
振り返ったら、純香が笑顔で手を振りながらこちらにやってきていた。
「おはよ~、っで!友紀!昨日のドラマ見た!?」
『えっ、ど、どれ!?昨日のドラマって…9時から、10時から、11時15分から…いっぱいあるけど!』
「ん~、じゃぁまず『コスモス』から!」
『ああ…9時からのやつ?…って、そのコスモスの原作の携帯小説、貸してくれるって言ってたじゃん!』
「え?そうだっけ?…ああ!そうだったね!ごめんごめん、持ってるよー、はい!」
『ったくもう…』
純香とは、こんな話でいっぱいだ。
純香は変にしっかり者で変にドジで忘れっぽい、そんで無茶ぶり女王なんだから大変な人なんだけど…。
今のあたしにとっては、恩人、かな。