彼氏と彼女の抱く絶対的な秘密。

もうすぐ、チャイムがなる。

チャイムは朝HRの始まりの合図。



そんなときだった。



「友紀っ」

クラスに、汗だくの亜優がやってきた。

「友紀、わりぃ、今日。一人で行かせちゃって」

『………』

あたしはなんも言わなかった。


『なんでこんなに汗だくなの!?』

『いいよ別に、気にしてないから。ね?』

『亜優、クッキー作ってきたんだ。』


言いたかったけど言えなかった。



「コラァ神埼ぃ!もうすぐチャイムなるぞ!」

「わっ、やべ谷原!…じゃ」

亜優が教室に戻っていく

――――前に、少し止まる。

「今日一緒に帰ろう。昇降口で待ってる」


亜優はそう言ってニカッて笑って、去っていった。



……バカ…。



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