彼氏と彼女の抱く絶対的な秘密。



「………亜優君の趣味でも変わった?」


朝…一人でフラフラと学校に向かっているあたしに、「おはよっ」と声をかけた純香の一言。


『……そうかもね』

「なんでそんなに暗いのー?友紀~、昨日どーかしたー?」

『…………別に』

「そのさ、言葉を言う前の間は何よ、間は」

『もうっ、何もないって言ってるでしょ!』

「あー、はいはいごめんって」

『今ひとりがいいからっ、先行くからね!』


「友紀」

走り出したあたしの背中に、純香が声をかける。


「あたし、良い事言う口はもってないけど、話を聞く耳と受け止める胸は持ってるからね」



『………』

あたしは何も言えないまま、走っていった。




『……ッッ、すみかっ……ッ』


もつべきものは友達だね、と、頬を伝う涙が言っているような気がした。




< 94 / 166 >

この作品をシェア

pagetop