彼氏と彼女の抱く絶対的な秘密。
教室につくと、あたしの家族たちが迎えてくれた。
「友紀ちゃん、おは……どうしたの?」
「……友紀、大丈夫?」
「なんだよ友紀ィ、元気ねーなー」
「…亜優となんかあった?」
あったかい、心配の目であたしを見てくれる家族。
『…大丈夫』
さっき、純香にもあたってしまった。
皆は関係ないんだもん、心配かけちゃいけない。
あたしは出来る限りの笑顔で笑った。
ふわり、と。
その瞬間、何かに優しく包まれる。
『……とーさん?』
「無理して笑うなよ。俺らに気ィつかうな、な?」
とーさんが、子を優しく励ます父のように、あたしを受け止め抱きしめてくれている。
『紗恋ちゃんに…怒られるよ?』
「だけどまぁ、俺らの家族が苦しんでんのみたら、なんもできずにはいられないわ」
『とーさぁん……』
「芳樹、ずるいわよ。ほら、次あたしっ」
とーさんがどかされ、まーさんに頭をなでられる。
「友紀ちゃんっ、大丈夫?」
杏梨も、心配して聞いてくれる。
かずにいも、近くに居てくれる。
それが嬉しくて、あたしはボロボロと泣いてしまった。