彼氏と彼女の抱く絶対的な秘密。
#12 一日遅れのバレンタイン
泣いて
泣いて
泣いて
思った。
自分が間違ってる
自分が我が儘言ってる
謝らなくちゃいけない
話、聞かなきゃいけない
そう思った。
だけど、何かがひっかかる。
「彼女なんていない」
その言葉が胸を締め付ける。
それだけ納得できない。
そして、矢代さんと亜優の関係もつかめない。
なんで抱き合っていたの?
その疑問があたしの闇に変わっていく。
苦しい。
そんな時、
ふと思った。
コーヒーが飲みたい。
あの喫茶店のコーヒーを。
あの人の笑顔が見たい。
落ち着くあの場所で、あの指定席で。
もう、ほぼ無意識に。
あたしはメールを送っていた。
<会いたい>
会いたい
―――――――――アユミちゃん。