紙ヒコーキとアオイくん
「俺、思いっきりダイニングテーブル蹴っ飛ばして。いい加減にしろ、俺はおまえらの操り人形じゃないって、かなり凶悪な感じで怒鳴ったんです」

「きょ、凶悪……」



意外すぎる彼の言葉に、思わず引きつった顔で呟く。

きょ、凶悪なアオイくんってなんだ……想像つかない。

いやでもこの子、怒ったらかなーりこわそうだよなあ。



「んでその後は、しばらく自分の部屋に引きこもってました。部屋が1階だったから、親に知られず外出するのもなんとかなったし。学校にもその間行ってませんでしたけど、義務教育中ならなんとかなるもんですね。あはは」

「あははってアオイくんそんな……」

「で、最初こそは両親も俺を部屋から引きずり出そうと必死だったんですけど、1週間もすれば完全に打つ手なしみたいでした。ざまあみろって、まあ当然の如く俺は思ったんですけど」



な、なんかちょいちょい、ブラックなアオイくんが垣間見えているような……。

あたしはいつの間にかローファーを脱いで正座して、彼の話に聞き入っていた。
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