紙ヒコーキとアオイくん
フキゲンな彼の理由
「……春日先輩って、実は頭良かったんですね」
自分の手の中にある成績表に視線を落としたまま、俺は半ば独り言のようにそう呟いた。
成績表に書かれている名前は、『春日 由宇』。
そしてその順位は、なんと『236人中4位』。
……ほんとにこれ前回順位『236人中121位』の人の成績表か。
「今回はね、すごく勉強がはかどったんだよねぇ。なんてゆーの、アドレナリン全開? みたいな?」
「……春日先輩てあれでしょ。特に勉強もせず授業聞いてるだけでそこそこの点数とれて、なおかつやったらやった分だけ結果伸びるタイプ」
「えー、そうかなあ?」
そんなことを言いながらのんきにいつもの場所に腰かけ、ぷらぷらとハイソックスに包まれた両足を投げ出している先輩に、俺はため息をひとつ。
まあ、何ていうか、ただ間抜けなだけの人ではないんだろうなぁとは思ってたけど……まさかここまで賢い人だとは。
俺は手元の成績表を半分に折りたたむと、春日先輩に突き返した。
「……先輩、こないだ言ってたの、あれ本気なんですか」
冷たくなりすぎない程度の半眼で問いかける俺に、春日先輩は成績表を受け取りながらきょとんと目を瞬かせる。
自分の手の中にある成績表に視線を落としたまま、俺は半ば独り言のようにそう呟いた。
成績表に書かれている名前は、『春日 由宇』。
そしてその順位は、なんと『236人中4位』。
……ほんとにこれ前回順位『236人中121位』の人の成績表か。
「今回はね、すごく勉強がはかどったんだよねぇ。なんてゆーの、アドレナリン全開? みたいな?」
「……春日先輩てあれでしょ。特に勉強もせず授業聞いてるだけでそこそこの点数とれて、なおかつやったらやった分だけ結果伸びるタイプ」
「えー、そうかなあ?」
そんなことを言いながらのんきにいつもの場所に腰かけ、ぷらぷらとハイソックスに包まれた両足を投げ出している先輩に、俺はため息をひとつ。
まあ、何ていうか、ただ間抜けなだけの人ではないんだろうなぁとは思ってたけど……まさかここまで賢い人だとは。
俺は手元の成績表を半分に折りたたむと、春日先輩に突き返した。
「……先輩、こないだ言ってたの、あれ本気なんですか」
冷たくなりすぎない程度の半眼で問いかける俺に、春日先輩は成績表を受け取りながらきょとんと目を瞬かせる。