TRICK of FATE ~キミと出会えたコト~
「それよりさ。」
春は私にぐっと近づいてきた。
「俺のこと、かっこいいと思ってくれちゃってんの。」
鼻が触れそうな距離。
近いっ...近いっ...
心臓のドクドクって音が大きくなった気がする。
「そ、そんなこと私は...」
「じゃあ、俺のこと好き?」
え!そんなこと聞く?!
っつーか、近いよ!!
すでに心臓はバクバクと異常な音をたてていた。
それが春に聞こえてしまう気がして、恥ずかしくて合わせていた目を反らす。
「ちゃんと、答えて。」
反らしたはずの私の視界にまた春が入ってきた。
今度はもう、反らせない。
「俺のこと、好き?」
鼻の頭がちょんちょんって触れたり離れたりする。
「...好...き...。」