TRICK of FATE ~キミと出会えたコト~
「ありがと。」
最寄りの駅が4つも離れてるのに、春は私を家まで送ってくれた。
「ああ、またな。」
春はそっけなくそういってくるりと背を向けて今来た道を戻った。
最後まで、服にはノーコメントだったな...
なんて思いながら、家のドアを開けようとしたら...
「凜っ!!」
と叫んで、私のとこまで走ってきて耳元で囁くと、私は一瞬でゆでダコのような顔になった。
「じゃあな。」
ふふっと笑いながら春は帰っていった。
だって。
そんなの照れるでしょ。
「今日の服、めっちゃ似合ってる。」
なんて言われたら。