TRICK of FATE ~キミと出会えたコト~
「春ー今日はー?」
午前の授業がひととおり終わって、秀がいつものように訊いてきた。
「もち、凜と。」
予定とかがない限り昼は一緒に食う。
「けっ。またかよ~。別にいいけどさ、たまには友を大切にしろよー。凜ちゃんもたまには友達といたいかもしんねーよ?」
確かに...それもそうかもしんねぇな。
「おう。じゃあな。」
やっぱ秀は頼りになるわ。
「「「キャーーッ!!!」」」
廊下に出た瞬間女たちの黄色い声が響いた。
うるっせぇ...
「春ー♪今日ひまぁ?ひさしぶりにあ そ ぼぉ?」
俺の腕に女が絡んできた。
「ムリ。俺、彼女いる」
「えぇー?それ、ホントだったのぉ?そんなのどぉでもいいじゃぁーん」
「触んな。無理なもんは無理」
俺は女を振り払った。
今の俺には凜しかありえねぇんだ。