TRICK of FATE ~キミと出会えたコト~
テスト
*凜side*
「ぁぁ...あぁ...ぁ...」
11月中旬。
私は声にならない声で叫んだ。
ある、紙を両手に握りながら。
「凜、言葉にもなってなければ声にもなってないよ」
杏があきれた表情でつっこんだ。
「ぁぁぁ...」
「顎外れるよ?」
顎なんて外れたっていい。
なんたって、数学、古文、英語、化学の単元末テストで100点満点中35点以下をとってしまったんだから!
確かに私は周りと比べてかなり頭が悪い。
でも、そんなことじゃ言い訳できない点数だぁー!!
「ち...ちなみに...杏は?」
半泣きで杏に訊ねる。
「私は、まあまあ。」
と言いつつ、杏の見せた答案は全て85点以上だった。
杏は私と真逆でこの学年でもトップクラスの秀才だ。
杏は、見た目も良いくせに、頭も良いなんて...
神様はずいぶん不公平に人を造り上げたもんだ。
私が頭を抱えていると、教卓のところにいる先生が声を張り上げて言った。
「2週間後には期末があるからなー。きちんとやんないと留年だって夢じゃないからなー」
うわぁ...、それは困る...!!
「杏~、勉強教えて~...」
「いやだー。勉強なんて学校以外でしたくない~」
あ、杏は勉強しなくても頭いいんだった...
なんだよー...
頭いいんだから教えてくれよ...