TRICK of FATE ~キミと出会えたコト~
*凜side*
「じゃあ、この問題はこれでいいの?」
「ああ。じゃあ、この問題やってみ。」
うわぁ、春って教えるの上手。
あんなにわかんなかったのが嘘みたい。
で、杏はというと、うれしそう...です。
ふつうに私と出かけるときより私服がかわいい感じだし、口調がいつもよりソフトだし...
「あ、なんか飲み物持ってくるね!」
いつもは『ね!』なんて語尾につけないのに。
杏が立って部屋を出ようとすると、
「あっ、俺、手伝うっ」
と言って、秀くんが立ち上がった。
杏は私に隠れてピースをした。
あはは...まあ、頑張って~
なんかなっちゃいそうな2人は1階に行ってしまった。
まあ、私は勉強するかぁー。
私はさっき春にやってみって言われた問題を解きはじめた。
「りーんっ。」
ん?
なんか誰かによばれたような...
声がした方を見ると、
「春...どしたの...?」
ああ、春がいたんだった。