TRICK of FATE ~キミと出会えたコト~
2回目の帰り道
*春side*
「春!春!お前いつまでぼーっとしてんだよ!」
「あ?」
しばらくぼーっとしてた俺に秀は机をバンバンバンっと叩いた。
「山下お前のコトめっちゃ睨んでたぞ?」
「別にいーし」
また山下か。
あのおっさんはどーでもいい。
問題は凛だ。
まあ、とりあえず強引とはいえ、彼女にしたわけだし作戦はいい感じに進んでるな。
あと、4日だ。
あと4日でアイツは俺に惚れる。
ってかアイツ本当に交際経験ないんだな。
なんかいろいろ分かってないみたいだしな。
「おい春!もうみんな帰ってんぞ」
そんなコトを考えてるとあっという間に午後の授業が終わったらしく、秀は俺の帰りを待ってくれてるようだった。
悪りぃな秀。俺、今日は予定があるんだよ。
「俺、今日秀と一緒に帰れねぇ。悪りぃ」
「えっ、マジかよー。それって昨日俺が玲菜(れな)と一緒に帰ったからか?悪かったよー。」
ああ、昨日コイツまた女と遊んでたのか。
って俺もか。
「ちげぇよ。秀は悪くねぇ。けど…
俺しばらく秀と帰れねぇわ。」
「なんでだよ?!」
「俺、彼女いるから。」
俺は目を丸くする秀を置いて教室を出た。