TRICK of FATE ~キミと出会えたコト~
「帰ろ~」
杏がスクバを持ってドアの方に歩きかけた。
私がそれについて行こうとすると、
「おい、帰るぞ。凛。」
新久 春が廊下に寄っかかっている。
幸い今はみんな帰っていて新久ファンの女子たちはいない。
「嫌よっ今日こそ杏と帰るんだから!」
「あ、いーよ!彼氏とラブラブで帰って♡
じゃーね☆」
え…、嘘でしょ?!
杏…た、助けてよ…
「おい、帰んぞ」
そう言って新久 春は私に左手を差し出した。
「?」
「手」
え!やだよ!
「まぁいーや。行くぞ」
あ、いーの?
私は小走りでついて行った。