TRICK of FATE ~キミと出会えたコト~
忘れられない過去
*凜side*
「たっ、高豆 永也(タカマメ エイヤ)ですっ。よ、よろしく。」
1年前。私が高校生になりたてのころ。
和くんの紹介で私は永也くんと出会った。
「コイツ、いつもはもっと声デカいんだけどさ、緊張してて。」
なぁ?と永也くんをバシッと叩いた。
和くんのクラスの友達で、私の写真を見せたら会いたいと言ったらしい。
私の方も、誘われた時に写真見たら、すごくかっこよくて逆に会わせてほしいくらいだった。
お互い緊張しててその日こそあまり喋れなかったものの2回目からは話が弾んだ。
私は永也くんと付き合いたいと思った。
「ちょっと俺、トイレ。」
と、和くんが言ってイスから離れた瞬間、永也くんの表情が固くなった。
私はもしかしてと思った。
和くんはフフッと笑ってトイレへ行った。