TRICK of FATE ~キミと出会えたコト~
少しして、春は電話を切った。
「凜さ、もしかしてなんか勘違いしてない?」
「...へ?」
「あ、凜、知らないのか!」
春は思い付いたように言った。
春はケータイをいじくって私に写真を見せた。
「......?...えぇっ?!」
写真には...春が2人。
2人?!
私は目をぱちくりさせて写真と春を交互に何度も見た。
「分身...?」
「んなわけあるか。...双子なんだよ。」
春が...双子...?
「俺の兄貴。新久 心(ニイヒサ シン)。凜がお昼休みに見たのは兄貴の方だ。よく見ろよ、兄貴の方は顎んとこにほくろあんだろ。」
たしかに...
よく見ると、顎の右の方にちょんと小さな黒い点がある。
それに、心さんのほうが少し髪の色が赤茶っぽい。