記憶のパズル-あなたの温もりを頼りに-

キィィィーーーッ!!!!!

ドンッ


…は?


よかったと言いかけた朱音に、


指輪を拾いにしゃがんでいた朱音に、



車はぶつかった。



俺は朱音を守れなかった。



――――――
――――――――――


今でも鮮明に覚えている。


あのときのこと。


俺が守れなかったせいで朱音は…


命をとり止めただけでも奇跡。

普通に生活しているだけでも奇跡。

俺はいつからこんなにわがままになったんだ。

朱音が元気なら。

今の朱音が松原のことを好きなら。

それでいいんじゃないのか。
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