片想いゲーム
「野宮 大和です。桜木中出身、大親友は東と俊平! よろしくな!」
「きゃーーーーーー!!!!」
多分一番人気だと思った。
野宮 大和くん。
髪の毛は少しくせっ毛がある茶髪。
目はぱっちり二重で瞳の色は茶色に近い色。
輪郭は細くて、でも身体はガッチリしてそうな体型。
鼻が少し高くて、唇はぷるんとしている。
まるで、芸能人みたいなかっこよさ。
さらに、性格も絶対に優しくて明るいと思う。
階段のとき、助けてくれたから。
そうだ、お礼言わなくちゃ。
そう思った瞬間、私は無意識にガタッと席を立った。
皆驚いて私を見つめている。
っと思った瞬間、私は我に返り、恥ずかしさのあまり、口から声がでなかった。
「えーーーっとーーーーー…無意識に席をたってしまいました。」
正直に答えた瞬間、皆からまた笑い声が聞こえた。
シナティーも笑っていた。
「やっぱり、ギャグせん高い!」
「小田切やっぱ最高だわ!」
「うち、ファンクラ、はいろーかなー♪」
「俺、もう入ってるー♪」
「小田切さん、席に座って♪」
「は、はい。」
そういって、私は席についた。
そのまま、自己紹介が終わり、自由時間になった。
もちろん、女子は3人の男子のところへと行く。
「人気だな、彼ら。」
「そーだね♪」
いつお礼を言えば良いのかわからなくて、ずっと悩んでいた。
と、その時だった。
野宮くんが席を立ち、私の方にやって来た。
「へっ…?」
「俺、野宮 大和。階段であったよね?」
そう言いながら私の目を見つめた。
私は顔が熱くなることがわかった。
「あ、私、小田切 菜乃葉。階段、落ちたとき、助けてくれてありがとうございました。」
私は軽くお辞儀をした。
野宮くんは近くのペンケースから勝手にペンをだし、私の手に文字を書き出した。
「えーーーっとーーー????」
書き終えた野宮くんは、
「よろしくな!」
っと言って笑いながら席に戻っていった。
びっくりして声もでなかった。
私は何が書いてあるのかとおもって、見てみたらアドレスと電話番号が書いてあった。
「おぉ。良かったじゃないか! あいつのケー番ゲットできて。」
にこにこしながら、朋ちゃんは私にそういった。
「うん!」
と答えるしかなかった。