片想いゲーム
と、その時、野宮くんが帰ってきた。
「たくっ…小田切のせいだー!」
「ごめんごめん! わざとじゃないの!」
「今日だけは許してやる!」
「ありがとう!」
野宮くんは優しいなぁ。
「あ、なぁなぁ…」
「のっみゃ~♪」
「ゲッ! お前とはもう関係ないだろ! 弱味はもう皆に知られたし、お前のいいなりにはならねーよ?」
「野宮に会いたかったんだもーん♪
っていうより、話したかったかなぁ♪」
「あーはいはい。」
私は唖然とした。
菫ちゃんの性格が変わりすぎていて。
こんなにぶりっこだったっけ。
こんなに猫かぶってたっけ。
いつもと違う菫ちゃんに驚き過ぎて言葉もでなかった。
「野宮くん、またいっちゃったね☆」
笑いながら私は五十嵐くんに話しかけた。