片想いゲーム
野宮くんと話がしたい。
体育祭にかけるんだ。
もし、優勝したら、野宮くんとはなすって。
決めた。
『ただいまよりー、第16回体育祭を開催します。最初の種目は、玉入れです。』
私の出番だ。
そう思い立ち上がり、入場門に来た。
「えーっと、私は…」
ドンッ!
誰かに軽くぶつかった。
「っと、すみませ…」
驚いて、謝りきれなかった。
ぶつかった相手は、野宮くんだったから。
「えっと…野宮くんも玉入れ出るんだ。」
「うん、まぁ。」
そういって、彼は人混みのなかに消えていった。
そりゃぁそうだよね。
私なんかに優しくしてくれるわけないよね。
「バカだなぁ…私は。」
自分が作った距離なのにさ…
悲しむなんて。