一日で君を好きになる
「どっか行きたいとこあるー?」

一通り、全部の教室を廊下から見た私達。

人通りの少ない階段で座っていると、早瀬君は優しくたずねてくれた。

「うーん。どこ行こっか…」

なんか食べたいなー…。

あ、唐揚げ食べたいかも…。

でも、フランクフルトも食べたい…。

「まぁ俺は別にこうやって二人でのんびりすんのもええけど?」

これは素で言ってるのかな?

どうなんだ…。

だけどまたドキっとしちゃったじゃない!

爽やか少年早瀬君…恐るべし。

「私、唐揚げが食べたい!」

ドキッとした自分を隠したくて、私はそう言った。

なんか私…かわいくない女だよね。

こういう時って、なんて言えば良いのかな?

"そうね、それも悪くないわね"

…とか?

って!!

何、私!!

早瀬君に"かわいい"とか思われたいの…?
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