tender dragon Ⅲ
#1
「誰だよこんなの買ったやつ。」
「あ、それタケのですよ。あいつがさっきコンビニで買ってるの見ましたし。」
葉太と春斗が一冊の雑誌を持ち上げながら、呆れ顔で話していた。
「タケくんの?見せて」
休日のお昼。
安田さんの家には、葉太、春斗、あたし、希龍くんの4人がいた。
「タケらしいですよね。」
苦笑いの春斗が差し出した雑誌。
【これをやれば間違いなし!女の子がキュンとときめくbest10!】
なんて見出しがバーンと大きく出てる。
「何これ。」
初めて見た。っていうか、こんな雑誌コンビニに売ってるんだ。
「こんなの600円も出して買うか?」
「まぁ、タケですからね。」
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