tender dragon Ⅲ

「あいつ絶対はぐれるぞ。」

葉太の言葉通り、大分遅れをとっている希龍くんはほんとにはぐれてしまいそう。

あたしたちが早く歩いてるわけじゃない。


「…あんなに注目されてるのに近づけないよ。今でも視線痛いのに。」


龍泉のツートップがいて、その上幹部までいたんじゃ完全に注目の的だ。

その中でも希龍くんの人気はやっぱり圧倒的で、女の子に囲まれてしまった彼はなかなか動けないらしい。

葉太は女の子なんて完全に無視だし、春斗の隣にはあたしがいるから誰も話しかけてこない。


「あたしが彼女ですって言ってくれば?」

「いや、そんな恐ろしいこと出来ないよ。」

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