tender dragon Ⅲ
「ごめん、間違えた。」
「何が?」
「プロポーズなわけないよね。」
あんなのいつもみたいにからかわれただけ。
新手のプロポーズって何よ。
「間違ってないけど。」
「……え?」
そう言うと希龍くんは、ポケットから小さな箱を取り出した。
そして開かれた箱の中には、指輪が入っていて、太陽の光でキラキラしていた。
「ほんとは今渡すつもりじゃなかったけど、プロポーズしちゃったからね。」
なんて言ってあたしの左手をとる。
あぁ、やばい。
嬉しすぎて泣いちゃいそう。