tender dragon Ⅲ

「あれ、でもあそこの制服って…」

春斗が思い出すように呟く。

そう、そうなんだよね。

「制服?何、制服がダサいとか?」

どうやら葉太はそのカフェに行ったことがないらしい。

ダサいなんてとんでもない。


「あたし持ってきてるよ、見る?」

「見る。」

即答した葉太のために、さっき貰ってきたばかりの制服をカバンから取り出した。

それと同時くらい。


―ガチャ…

玄関のドアが開いた。


「みーなみっ」

「あ、芽衣!」

笑顔の芽衣が駆け寄ってきて、あたしにギューっと抱きつく。

その後ろから、もちろん彼も入ってきた。

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